7月11日(火)その1
MRI の日。
子宮筋腫でMRI を撮った事があるので、緊張もなく検査室へ。
ニコヤカに自己紹介する技師二人。
医療現場には不自然な微笑みが満ちあふれている。
うつぶせになって左腕にハリを通し、特殊な液を挿入するべくセットされる。
より良い解析が出来る為のもので、違う色で写し出されるらしい。
「ではリラックスして。1時間弱で終わります」
ギー・・・ガッチンガッチンガッチン・・・・
ギー・・・ガッチンガッチンガッチン・・・・
下を向いているので結構不自然な体勢、長びくのは嫌だなあと思う。
30分ほど経ってからか、途中で液が漏れているのに気づく。
私「あの〜・・液がちゃんと挿入されてませんけど・・・ 」
技師「エ!」
結局機械を止めて、同じハリを刺した所を使おうとするらしいのだが(私は動くなと言われてうつむいたままなので、何が行われているのかハッキリわからないし、全く説明もない)2人がかりで途切れ途切れに焦った会話が聞こえるのみ。段々不安になってくる。
「何をやってるのか教えて!」
「エッと・・・今ハリを刺し直そうとしていて・・・(モゴモゴ)」と何の事だかさっぱりわからんし、メチャメチャ不安がつのる。この素人同然の人たちに任せていていいのだろうか・・・。苛立った私は叫んだ。
「そんなに上手く行かないんだったら他の所に針刺して!」
結局彼らは右手に刺し直して、検査再開。15分以上こんなアホな事に時間がかかり、予定を大幅にオーバーしたせいで、その後に入れていた Dr. Leonard との予約の時間に全く間に合わなくなってしまった。
その日は Dr. Leonard から色々な説明があると言う事で1時間私の為に時間を割いてもらっていた。受付で遅れた理由を説明しても、ドクターは忙しいので今日はもう会えないと言われる。私はお宅のグループのヘナチョコ技師の為に時間が遅れたんだから私のせいじゃない、絶対会わせろと主張。粘っていると事務局長が出て来て、別室に通される。そこで今まで我慢して来た事が破裂。
「私はがん細胞が見つかったと電話で伝えられただけで、まだはっきりとした事が全然わからないんです。 どういう方法があるのか今日絶対会って話を聞きたいんです」
今まで人前ではもちろん、自分一人の時も極力淡々と過ごして来たのだが、この場に及んで大泣きに泣く。
「何とか時間を作るからちょっと待っててね」
Dr. Leonardが涼しい顔で私に伝えに来てくれた時も、私は一人でボロボロ泣いていた。